8月は、悼む時間が他の月以上に多く流れる。メディアはこぞって原爆戦争特集を組み、その空気が一定程度、社会を覆う。「8月ジャーナリズム」と揶揄されもするが、それでもやはり、特別な月である。具志堅隆松さんは今年も 都内で会見を行い、靖国で遺骨土の使用について反対を訴えた。CLPでも戦争と 核兵器を考える場を設け、8.6式典にイスラエルを招致しないよう訴える デモを報じた。
一方、8月は関東大震災追悼の準備が始まりもする。小池都知事は、案の定、朝鮮人犠牲者の式典に追悼文を送らないことを決め、笑顔で 虐殺を否定した。これを受けて、映画『福田村事件』で虐殺を指揮する長谷川役を演じた 水道橋博士にインタビューした。博士は、歴史修正を支えている社会と小池知事を痛烈に批判した。小池批判は、すでに7月にまとめた長生炭鉱追悼ひろばにおける 安田浩一氏のコメントにもみられたため、追加的に編集した。
取材を続けている 長生炭鉱(山口県宇部市)に関しては、クラファンが継続されている。実際に遺骨収容にあたるのは、ダイバーの伊左治氏とそのチームになるが、その 水中捜索のドキュメントを公開した。80年以上前に水没した炭鉱の遺骨収容は無理と思う人も多いだろうが(実際に自分もその一人だった)、技術的に可能であることがわかる。本来、政府がすべき仕事を進めている「刻む会」の活動を通じて、「歴史」を再確認してもらえれば幸いです。(工藤)